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男女共に活躍できる建設業!社員一丸となって地域を守る!!

横山建設工業株式会社 横山眞由美社長

【プロフィール】 1958年生まれ。南相馬市原町区(旧原町市)出身。地元の小学校、中学校、高校卒。大学は青山学院大学経営学部卒。学生時代はテニス部で、東北大会優勝、国体・インターハイ出場など輝かしい実績を誇る。1981年4月、家業の横山建設工業(株)(南相馬市)に入社。総務、主に経理を担当し、社長である父をサポートしてきたが、父の逝去に伴い、2011年8月に代表取締役に就任。「丁寧な仕事」と「品質」に定評のある老舗企業の3代目として、ふるさとの復旧・復興に奮闘する。趣味は長年続ける茶道とショッピング、ドライブ。2級建設業経理士、2級土木施工管理技士の資格を持つ。今年6月に誕生した県建設業協会の女性部会「ふくしま建女会」では初代代表幹事を務める。

学生時代はテニスで活躍

-幼いころから建設業に興味を持っていましたか

建設業は大変な仕事だと思っていました。父は、私が幼少のころはずっと現場で、工事の施工に数カ月泊りがけで行くこともあったため、家に居た記憶があまりなく、会社のことや経理などを任されていた母や叔母が忙しく働いていた姿を見ていましたので、大変な仕事だなと感じていました。いま思うと女性が働く姿を小さいころずっと見ていたんだと、いま、気づきました(笑)。
学生時代は、部活動に夢中で建設業を意識することもなく過ごしてきましたが、私は3人姉妹の長女で、3人の中では一番、建設業に合っているのかと感じていましたから、大学まで好きなことをさせてもらいましたので、家業を継ぐことも視野に入れ、東京から戻ってきました。

-幼いころはどんな子どもでしたか

中学2年生のころまでは、前から1、2番を争うくらい身長が低かったのですが、運動が大好きで、足も速かったし、なんか強かった、おてんばでしたね(笑)。中学校は軟式テニス部、高校、大学は硬式テニス部に所属して、テニスの毎日でした。特に高校のときは、朝練してから学校に行ってボールが見えなくなるまで練習をしていて、休みといえばお正月と相馬野馬追の時くらいでした。

-休日の過ごし方を教えてください

掃除、洗濯、食料の買い出しなど、平日にできない家事が中心ですね。会社が忙しい時は自分の仕事を休みの日にします(笑)。ストレス解消にショッピングに行きます。

 

アンテナ張って、社員全員とコミュニケーション

-社員の皆さんとのコミュニケーションで心掛けていることはございますか

現在社員は25人いて、このうち事務所には現場関係者も併せて7人いるのですが、私は社長に就く前と同様に総務・経理を担当していて、同じフロアにいるので、常にアンテナを張って、良い意味で口を挟むことを心掛けています。工事現場にはなるべく行くようにして、行ったときは全員に言葉をかけるようにしています。

-日の仕事のスケジュールを教えてください

朝、まずは社員の出社に備えて事務所を開けて、その日の全員の現場先等を確認後いったん自宅に戻り、午前8時半に改めて出社します。基本的には社内で仕事をしています。

-社長として特に大変なことは何ですか

今までやってきた総務・経理の仕事はそのままで、そこに社長職が加わった形ですので、業務の量が増えて大変です。社長の仕事は、父の補佐的な仕事をしてきたので、おおよその流れは分かるのですが、事務の仕事ばかりしてきたため、工事の出来栄えなど現場の専門的な知識が分からないことが悔しいですね。父は工事が完成すると必ず竣工検査に立ち合っていて、現場の出来をよく見に行ったのを思い出します。父と一緒に現場に行って、いろいろと教えてもらっておけば良かったと後悔しています。いまももっと現場に行きたいのですが、事務や入札関係の仕事に追われてなかなか行くことができないのが現状です。

 

男女問わず働きやすい職場環境を実現へ

-建設業界における女性活躍についてどう考えていますか

「女性が活躍する社会」が注目され、盛んに取り上げられるようになって、「何かを頑張って活躍しなければならない」という気になっていましたが、国が目指す一つの方向性であって、女性自身がプレッシャーを感じる必要はないと考えるようになりました。建女会のメンバーもそうですが、皆さん十分活躍していらっしゃいますし(笑)。現在建設業で働く女性は「仕事が好きだ」という方が結構いて、家事も育児も両方こなしながら仕事をしている方が多いですよ。
ただ、女性が働き続けられる環境をつくることは大切だと思います。例えば、提出しなければならない工事関係書類等の簡素化、効率化を図ったり、関係者の連絡調整をもっとスムーズにしたりすれば、工事・業務が円滑に進み、残業が少なくなったり、週休二日制であったり、女性のみではなく男女を問わず働きやすい職場環境となります。担い手確保の観点からも大事なことだと思います。

-「ふくしま建女会」への期待は

「男女とも働きやすい建設業」の実現に貢献していくことが最終的な目標ですね。建女会は発足したばかりですので、男性を含めた活動はまだ難しいかと思います。当面は私を含めた幹事8人が情報を発信したり、企画した取り組みに建設業に携わる女性職員等に参加してもらったりするなどして、徐々に女性の輪を広げていきたいです。ただ、幹事の皆さんもそれぞれの会社で活躍しており、家庭もありますので、まずは無理せず、仲よく楽しく活動していければと考えています。
建女会の具体的な活動内容は今後、決めていきますが、メンバーからは東京五輪関連工事の現場視察などの案が出されています。個人的には、建設業で長年活躍されている女性技術者の方がいらっしゃいますので、そういった方が国・県等の表彰を受けられるよう手助けできればと考えています。

 

「やりがい」「完成時の喜び」が建設業の魅力

―建設業の魅力、自社の魅力を教えてください

やりがいがあって、完成した時の喜び、達成感を味わえること。これが土木、建築問わず建設業の魅力です。建女会のメンバーは技術者がほとんどですので、皆さんに聞いたら全員がそう答えました。
わが社の魅力は、中心社員が「現場肌」の父の下で働いていたこともあって、仕事が丁寧。これは自慢できます。私が現場のことを知らなくても、安心して仕事を任せられ、県や市など工事発注者から「横山さんなら間違いない」と言われることもあります。経営者の立場からすると、もう少し早く仕上げてほしいと思うこともありますけど(笑)。
それと、震災で社員も多く被災したなか、父が亡くなり、ほんとうに社員に助けられここまでやってくることができて、感謝しています。これもある意味、父と母の築いた会社の魅力のおかげです(笑)。

-建設業界を目指す学生にアドバイスを

不安や疑問点があって、それで建設業に就職することをためらっている皆さんも多いかと思います。建女会として、学生の皆さんと建設業で働く先輩との座談会や、現場等の見学会も企画していきたいと考えていますので、その時にはぜひ参加して、不安解消や進路選択の参考にしてほしいと思います。
それと、県建設業協会や建設業界のみなさんが、建設業をもっと働きやすい環境にすることを実現するために、いろいろな取り組みをしていらっしゃいますので、今後、もっと建設業は変わると思います。

福島県建設業協会のinstagram

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