聞くチャンネル インタビュー

「興味を持ったら積極的に 公私ともに挑戦し続ける」

東信建設株式会社 岡理恵子さん

 1975年生まれ。福島市出身。福島県立福島工業高校建築科の卒業と同時に東信建設株式会社に同社初の女性技術者として入社。現在は、工務部工務課係長として勤務。一級土木施工管理技士の資格を取得し、近年は主に道路舗装工事の現場代理人として現場の最前線で働いている。休日はリラックスして過ごすことが多いが、冬になると桧原湖に赴き、1日ワカサギ釣りに没頭するとのこと。

「図工が好き」がきっかけで建設業の道へ

―建設業界へ入職したきっかけを教えてください。

 小さい頃から図工で物を組み立てることが好きで、福島県立福島工業高校に進学しました。就職を希望した時に、実際に現場でものづくりをする職に就きたいと考えていましたが、当時は求人票の中に「男子希望」や「女子希望」という欄がありました。その中でも東信建設株式会社は性別の垣根なく採用を行っており、面接をした時に今の社長に「ぜひ一緒に働きたい」と声をかけていただきました。社長には「今後、女性の技術者が増えたら良い」という考えがあったそうです。
 いざ入社してみると、土木と建築では全然分野が違うので困惑しましたが、初めての女性技術者ということで先輩に色々と教えてもらいながら仕事を覚えました。今でも、会社の先輩や同僚とお互いに仕事をサポートしながら現場を進めています。


―どのような時に仕事のやりがいを感じますか。

 竣工の瞬間や自分が担当した道路を自分で通った時に、やりがいを感じます。特に、自分が施工して、納得がいく仕上がりで完成できた道路を通った時は達成感を感じますし、通る度に良い道路になったなとテンションが上がります。


女性でも入職しやすい環境づくりを目指して

―ふくしま建女会には設立当初から参加されていますが、具体的にはどのような活動をされていますか。

 ふくしま建女会では、女性環境パトロールや女子学生との座談会、研修会への参加などに取り組んでいます。特に女子学生との座談会は、なかなか若い世代の方と話す機会が無いので貴重な活動です。工業高校で座談会を行った際に良く聞かれたことは、「女性の方は職場に何人在籍しているか」や「どのような資格があると良いですか」等です。他にも、現場のトイレのことや更衣室など働く環境のことも聞かれます。質問に対して、仕事の内容や普段の様子をお話ししています。女性でも働きやすい環境になっていることをお伝え出来るよう、活動を続けていきたいです。
 1つ残念なことは、せっかく工業高校に進学しているのに建設業界を志望していない学生さんがいることです。若い世代の方の入職については、男女関係無く同世代の社員がいればさらに増えてくるのではないかと考えます。
 私が入社した時は、女性は私1人でしたが同期入社は私を含めて6人いました。同期と切磋琢磨して仕事したり、休憩中に何気ない会話をしたりすることで雰囲気が良くなり長く働き続けやすくなるのではないかと思います。


―会社で女性活躍を推進している取り組みがあれば教えてください。

 会社で産休を取得したのは私が最初でした。他にも、子どもが熱を出した時や行事がある時には申請をすれば休みを取得できます。会社には様々なバックアップをしていただき、子どもが大きくなるまで子育てと仕事の両立が出来ました。

仕事もプライベートも興味のある事に積極的に取り組む

―休日の過ごし方を教えてください。

 休日は家でのんびりリラックスして過ごすことが多いですが、冬になると、ワカサギ釣りに行きます。数年前に上司の方に誘われて始めたらハマってしまいました。それ以来、年に数回桧原湖に行ってワカサギ釣りを楽しみます。集中しているとあっという間に1日が過ぎてしまいます。年末年始やゴールデンウイークなどの長期休暇の時は、北海道にいる娘のところに遊びに行きます。

―今後の目標について教えてください。

 1つ目は当たり前のことですが、健康に気をつけながら、会社から預かった現場を毎回正確にきちんと仕上げることが目標です。どうしても体力が必要な仕事ですので、身体に気を付けて仕事を進めていきたいです。
 2つ目は後進の育成です。会社には私以外に2人の女性技術者が在籍しています。同じ現場に配属になった時は直接指導することがあります。時々3人で食事に行くこともあるのですが、その際に仕事の相談を受けることがあります。最近は2人とも会社に慣れてきているので良かったと感じます。女性でも働きやすい職場環境の改善に繋がっていけば、更に良いと思います。

―建設業を目指している皆さんへメッセージをお願いします。


 「少しでも興味があったらまずやってみる」ということが大切だと思います。特に若いうちはいろいろな経験をすることが大切だと考えます。経験してみて楽しいと思ったり、やりがいを感じたりすることが出来たら、建設業に入職していただきたいです。
 建設業は「キツい」や「大変な仕事」のイメージが先行していると思いますが、近年ではICTの技術が導入されている部分もあります。ですが、どうしても人力が必要になる場面もあります。自分に合っているかどうかは経験してみないと分からないので、まず「やってみよう」と行動することが大切だと思います。

 

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